医療崩壊、医療危機っていうのは、
遠い世界の事じゃなくて身近な事なんですよ。
東京でも、妊婦さんの受け入れが難しい、
っていう事もマスコミで報道されて、
やっとそう思う人も増えてきたけど。
まだまだ、みんな他人事ですけどね。
私は、ブログやメールマガジンでは、
基本的に自分の事は書かない主義なんですが。
最近、ちょっと疲れてきてしまいました。
医療現場で働いていれば、
医師はみんな疲弊しているんだと思いますがね。
救命の現場にいる、っていう「本業」の方で、
患者がたくさんいて忙しい、疲れる。
っていうのは、もちろんあるんですけど。
『医師過労の原因は医療界自身』
『医師は病院経営者に物申せ』
にも書いたように、それだけではないんですよ。
こういう事やるのって、すごく力がいるんだけど。
個人的なメリットっていうのは、
ほとんどないんですよね、正直。
なんか、どうでも良くなってきましたわ。
似たような心境の人が、他にもいるようなので。
せっかくだから、引用させてもらいますね。
ネタ元は、
中間管理職先生の
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
からです。
いつもお世話になっております。
医療危機 疲弊する救命の現場
午後6時過ぎに容体が急変した60代男性は、
救急医ら8人の医師の治療で
ひとまず落ち着いた=横浜市鶴見区
午後6時過ぎ、60代の男性の容体が急変した。
横浜市鶴見区の済生会横浜
市東部病院救命救急センター。
8人の医師が男性を取り囲み、
懸命の治療が続いた。
救急医と専門医、8人のチームワークで
男性はひとまず落ち着き、守屋志保医師(28)は
胸をなで下ろした。
この日は夜勤。
そのまま翌朝まで、運び込まれる救急患者の
手当てをしながら、男性の容体を気にかけて過ごした。
5年目の守屋さんは月に平均5回の夜勤をこなす。
手術が重なって一睡もできない夜も多い。
夜勤の翌日は明け休みだが、結局、
担当する患者が気になって病院に足が向くことが多い。
1日ゆっくり休めるのは月に一度あるかないかだ。
「救急は志望だったし、やりがいはある。
でもQOL(生活の質)を重視する人には
向かないかもしれません」
■ ■
東部病院救命救急センターには、
救急車で運ばれる人と、比較的症状が軽く
自分で来る人を合わせて、
一晩平均約70人の患者が訪れる。
夜間は、研修医を含め5人の医師で
対応するのが基本だ。
清水正幸医師(36)は「東部病院は研修医が多く、
恵まれている方では」という。
ただ不安もつきまとう。
「救急に医療の原点を感じて志望した。
でもいつまで今のペースでやっていけるか。
40代後半になったらきついんじゃないかな」
と清水さん。
救急の現場を離れる同期は多い。
医師の労働環境を分析した
日本医科大の長谷川敏彦教授は06年の論文で
「急性期病院の医師の負担が急増している」
と指摘。
「急性期病院の若年医師(40代前半)の
離職が加速している可能性がある。
将来は危うい」と警鐘を鳴らした。
こうした現状を受け、厚生労働省は08年、
従来の医師数抑制方針を転換し、中長期的に
医師を増やす方針を打ち出した。
だが、東部病院の長島敦外科部長(50)は
「問題は医師不足でなく勤務医不足。
医学生を増やしても開業医が増えるだけ」
と指摘する。
救急や外科、産科、小児科といった
リスクが大きく拘束時間の長い
診療科は人気がない。
特に外科志望の研修医は激減しているという。
「このままでは、手術が必要な時でも、
すぐに受けられない国になるのでは」。
長島部長は心配する。
■ ■
横浜市立みなと赤十字病院の
八木啓一救命救急センター長(55)は、
疲弊する地方の現場を見てきた。
3月まで鳥取大医学部付属病院の
救命救急センター長だった。
同センターの救急医は4人。
うち若手の2人が「体がもたない」
と辞職を申し出た。
後任もなく、他科の応援も得られない。
結局、教授だった八木さんと准教授を含め
4人全員が「救急現場の窮状を知ってほしい」
と一斉に辞職した。
今の病院は研修医も多く恵まれた環境だが
「国に救急医療の現状が十分に
理解されているとは思えない」と話す。
「政治家はとにかく医療の現場をみてほしい。
何が大事か、どこにお金を出したらいいかを
きちんと把握したうえで、配分してほしい」
医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
《メモ》小泉政権で年2200億円の
社会保障費抑制策が打ち出された。
医療費も削減方針で、診療報酬は
マイナス改定が続く。
04年からは新卒医師の新臨床研修制度が始まった。
自分が選んだ病院で研修できるようになったため、
大都市の民間病院などに人気が集中、
地方の医師不足が顕著になったといわれている。
『朝日新聞:2009年08月21日』
________________________________________
>医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
日本の医療問題は
そんなに簡単な問題ではありませんし
そもそもマスコミによる医療叩きの
総力戦の結果でこうなっていると
多くの医師は考えています。
さんざん誤報を並べて、
「日本医療は非効率だ」
「日本の医療は金を食いすぎている」
(上記はすべて国際的には間違っています)
「大学は白い巨塔だ。ぶっつぶせ」
(つぶしたら地方医療は崩壊しました)
なんて
自分たちのやったことを
振り返らず、
「医療の問題はここです」
なんて言うのは正直、
卑怯だと思います。
タイトルの
>医療危機 疲弊する救命の現場
は、
まるでジャイアンがぶん殴って
ぼこぼこにしたのび太クンのことを
「だれがそんなひどいことを?」
なんてジャイアン自身がいうような、
あるいは
横であおってたスネ夫くんが
「ジャイアンはひどいね」、なんて
笑いながらいうような、
そんな印象を受けます。
だれが
疲弊させたのか、
胸に手を当てて
よく考えてみてほしいものです。
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
マスコミだけでなく、病院の中にも、
医者の中にも、全然わかっていない人もいるし。
もちろん、国民の多くは、
医療現場の事なんか知らないですよね。
でも、そんな医療現場の事を
みんなに知ってもらいたい。
そしたら、日本の医療も、少しはよくなるかも。
って思って、医師ブログとしては初期から活動して。
最近は頻度こそ減ってきましたけど、
今までブログを書いてきましたが。
これからどうなるか、ちょっと自分でもわかりません。
遠い世界の事じゃなくて身近な事なんですよ。
東京でも、妊婦さんの受け入れが難しい、
っていう事もマスコミで報道されて、
やっとそう思う人も増えてきたけど。
まだまだ、みんな他人事ですけどね。
私は、ブログやメールマガジンでは、
基本的に自分の事は書かない主義なんですが。
最近、ちょっと疲れてきてしまいました。
医療現場で働いていれば、
医師はみんな疲弊しているんだと思いますがね。
救命の現場にいる、っていう「本業」の方で、
患者がたくさんいて忙しい、疲れる。
っていうのは、もちろんあるんですけど。
『医師過労の原因は医療界自身』
『医師は病院経営者に物申せ』
にも書いたように、それだけではないんですよ。
こういう事やるのって、すごく力がいるんだけど。
個人的なメリットっていうのは、
ほとんどないんですよね、正直。
なんか、どうでも良くなってきましたわ。
似たような心境の人が、他にもいるようなので。
せっかくだから、引用させてもらいますね。
ネタ元は、
中間管理職先生の
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
からです。
いつもお世話になっております。
医療危機 疲弊する救命の現場
午後6時過ぎに容体が急変した60代男性は、
救急医ら8人の医師の治療で
ひとまず落ち着いた=横浜市鶴見区
午後6時過ぎ、60代の男性の容体が急変した。
横浜市鶴見区の済生会横浜
市東部病院救命救急センター。
8人の医師が男性を取り囲み、
懸命の治療が続いた。
救急医と専門医、8人のチームワークで
男性はひとまず落ち着き、守屋志保医師(28)は
胸をなで下ろした。
この日は夜勤。
そのまま翌朝まで、運び込まれる救急患者の
手当てをしながら、男性の容体を気にかけて過ごした。
5年目の守屋さんは月に平均5回の夜勤をこなす。
手術が重なって一睡もできない夜も多い。
夜勤の翌日は明け休みだが、結局、
担当する患者が気になって病院に足が向くことが多い。
1日ゆっくり休めるのは月に一度あるかないかだ。
「救急は志望だったし、やりがいはある。
でもQOL(生活の質)を重視する人には
向かないかもしれません」
■ ■
東部病院救命救急センターには、
救急車で運ばれる人と、比較的症状が軽く
自分で来る人を合わせて、
一晩平均約70人の患者が訪れる。
夜間は、研修医を含め5人の医師で
対応するのが基本だ。
清水正幸医師(36)は「東部病院は研修医が多く、
恵まれている方では」という。
ただ不安もつきまとう。
「救急に医療の原点を感じて志望した。
でもいつまで今のペースでやっていけるか。
40代後半になったらきついんじゃないかな」
と清水さん。
救急の現場を離れる同期は多い。
医師の労働環境を分析した
日本医科大の長谷川敏彦教授は06年の論文で
「急性期病院の医師の負担が急増している」
と指摘。
「急性期病院の若年医師(40代前半)の
離職が加速している可能性がある。
将来は危うい」と警鐘を鳴らした。
こうした現状を受け、厚生労働省は08年、
従来の医師数抑制方針を転換し、中長期的に
医師を増やす方針を打ち出した。
だが、東部病院の長島敦外科部長(50)は
「問題は医師不足でなく勤務医不足。
医学生を増やしても開業医が増えるだけ」
と指摘する。
救急や外科、産科、小児科といった
リスクが大きく拘束時間の長い
診療科は人気がない。
特に外科志望の研修医は激減しているという。
「このままでは、手術が必要な時でも、
すぐに受けられない国になるのでは」。
長島部長は心配する。
■ ■
横浜市立みなと赤十字病院の
八木啓一救命救急センター長(55)は、
疲弊する地方の現場を見てきた。
3月まで鳥取大医学部付属病院の
救命救急センター長だった。
同センターの救急医は4人。
うち若手の2人が「体がもたない」
と辞職を申し出た。
後任もなく、他科の応援も得られない。
結局、教授だった八木さんと准教授を含め
4人全員が「救急現場の窮状を知ってほしい」
と一斉に辞職した。
今の病院は研修医も多く恵まれた環境だが
「国に救急医療の現状が十分に
理解されているとは思えない」と話す。
「政治家はとにかく医療の現場をみてほしい。
何が大事か、どこにお金を出したらいいかを
きちんと把握したうえで、配分してほしい」
医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
《メモ》小泉政権で年2200億円の
社会保障費抑制策が打ち出された。
医療費も削減方針で、診療報酬は
マイナス改定が続く。
04年からは新卒医師の新臨床研修制度が始まった。
自分が選んだ病院で研修できるようになったため、
大都市の民間病院などに人気が集中、
地方の医師不足が顕著になったといわれている。
『朝日新聞:2009年08月21日』
________________________________________
>医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
日本の医療問題は
そんなに簡単な問題ではありませんし
そもそもマスコミによる医療叩きの
総力戦の結果でこうなっていると
多くの医師は考えています。
さんざん誤報を並べて、
「日本医療は非効率だ」
「日本の医療は金を食いすぎている」
(上記はすべて国際的には間違っています)
「大学は白い巨塔だ。ぶっつぶせ」
(つぶしたら地方医療は崩壊しました)
なんて
自分たちのやったことを
振り返らず、
「医療の問題はここです」
なんて言うのは正直、
卑怯だと思います。
タイトルの
>医療危機 疲弊する救命の現場
は、
まるでジャイアンがぶん殴って
ぼこぼこにしたのび太クンのことを
「だれがそんなひどいことを?」
なんてジャイアン自身がいうような、
あるいは
横であおってたスネ夫くんが
「ジャイアンはひどいね」、なんて
笑いながらいうような、
そんな印象を受けます。
だれが
疲弊させたのか、
胸に手を当てて
よく考えてみてほしいものです。
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
マスコミだけでなく、病院の中にも、
医者の中にも、全然わかっていない人もいるし。
もちろん、国民の多くは、
医療現場の事なんか知らないですよね。
でも、そんな医療現場の事を
みんなに知ってもらいたい。
そしたら、日本の医療も、少しはよくなるかも。
って思って、医師ブログとしては初期から活動して。
最近は頻度こそ減ってきましたけど、
今までブログを書いてきましたが。
これからどうなるか、ちょっと自分でもわかりません。
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Dr.I様>
Dr.I様も、そろそろ限界に来ておられるようですね。
ご自分のQOLのためにも、無理はなさらないでくださいませ。
……しかし、返す返すも、現状の医療を取り巻く環境を考えるとき、「いっそ、一度崩壊させた方が将来のために良いのでは?」と思ってしまいますね(嘆息)。
Dr.I様も、そろそろ限界に来ておられるようですね。
ご自分のQOLのためにも、無理はなさらないでくださいませ。
……しかし、返す返すも、現状の医療を取り巻く環境を考えるとき、「いっそ、一度崩壊させた方が将来のために良いのでは?」と思ってしまいますね(嘆息)。

Iさん、一旦診察と治療の現場から離れたほうがいいです。
人間誰でも、自分のやっていることが嫌になることもあるし飽きることもあります。
それは自然なことです。
それが自然だということを分かって自覚すれば、対処する方法があります。
一年でもいいし二年でもいいし、そのあいだ医者を辞めて外国で遊んできてもいいし、夜道で光る棒振りの交通整理のガードマンをやるのもいいし、お医者さんと違うことをして気分転換すればいいです。
それから気が済んだら戻ってきて、今度は日本で一番忙しくてそして儲からない医療現場に行って仕事すると、また新しい発見があるのでは?
そこを二年ぐらいやったら、また発見があって…、その繰り返しかな。
人間誰でも、自分のやっていることが嫌になることもあるし飽きることもあります。
それは自然なことです。
それが自然だということを分かって自覚すれば、対処する方法があります。
一年でもいいし二年でもいいし、そのあいだ医者を辞めて外国で遊んできてもいいし、夜道で光る棒振りの交通整理のガードマンをやるのもいいし、お医者さんと違うことをして気分転換すればいいです。
それから気が済んだら戻ってきて、今度は日本で一番忙しくてそして儲からない医療現場に行って仕事すると、また新しい発見があるのでは?
そこを二年ぐらいやったら、また発見があって…、その繰り返しかな。

私医療を崩壊させないように頑張っているつもりなんですが。
なんか、やればやるほど、どつぼに嵌っているようで。
無駄なエネルギーを使っているような気がしてならないです。
ほんと、疲れますね。
なんか、やればやるほど、どつぼに嵌っているようで。
無駄なエネルギーを使っているような気がしてならないです。
ほんと、疲れますね。
本気で、一回休んでもよいかな、って思っています。
まあ、どっちにしろ、気合を入れすぎると、ホントにパンクしちゃいそうなので。
どこかで力を抜きながらやっていくしかないでしょう。
まあ、どっちにしろ、気合を入れすぎると、ホントにパンクしちゃいそうなので。
どこかで力を抜きながらやっていくしかないでしょう。
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