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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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療養病棟、救急受け入れ必要?
時間外に大量の患者総合病院
特に「救命救急センター」と呼ばれる病院
殺到して、医師が疲弊している。
それが医療崩壊の原因の一つである。
というのは、厚生労働省の役人も
さすがにわかっているようですね。

急性期病院の勤務医の負担を減らす為に、
療養病棟でも救急を受け入れろ。
っていう話が、中央社会保険医療協議会
(中医協)でも話し合われているみたいです。


日本の病院っていうのは、重症の患者とか
緊急の患者を受け入れる「急性期病院」。
それと、慢性期でリハビリ中心の患者などを
中心に受け入れる「療養型病院」っていうのに
分ける事ができるんです。

まあ、厳密に言えば同じ病院の中で、
急性期(一般)病棟と療養病棟
2種類の病棟(ベッド)を持っている病院もあるし。
亜急性期病棟、っていうちょうど中間の病棟
っていうのもあるんですけどね。

でも、基本的には「機能によって病院が分かれる
という事になっているんですよ。

療養型の病院、病棟っていうのは、
医学的には安定して、あまり人手もかからない
患者を診るっていう前提になっていますから。
病院には医師の数も看護師の数も少ないんですよ。

だから、緊急の患者とか重症の患者
24時間365日診る、っていうのは
物理的に無理なんです。

全ての病院24時間365日患者を診る
って事になったら医師も看護師も分散して、
結局はみんな人手不足になっちゃいます。

だから、急性期の病院には人手を多くして、
そこに重症患者や緊急の患者を集めて。
慢性期の患者は、人手の少ない病院で見てもらう。
という事で、メリハリつけて病院
全部は潰れないようにしている、
っていう面もあるんですが。

その療養型病院に、救急もやらせる、
という事になったら、下手したら全滅。
って事になりかねないと思うんですけどねー。
私は。

「ロハスメディカルブログ」に、
そこら辺の話が詳しく出ていましたので。
一部省略しながら、紹介させていただきますね。
いつもお世話になっております。



療養病棟救急受け入れ、反対続出
─ 11月20日の中医協

新井裕充 (2009年11月22日 )


重症患者を受け入れる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善するため、
厚生労働省は療養病棟救急受け入れを
診療報酬で評価する方針を打ち出したが、
病院団体などから反対意見が続出している。
(新井裕充)

2010年度の診療報酬改定に向け、
厚労省は11月20日の中央社会保険医療協議会
(中医協)で、療養病棟の評価として、
「後方病床機能」「救急支援機能」を提示した。

このうち療養病棟の後方病床機能については、
「在宅医療や介護施設においては、
患者や入居者の病状の急変の際、
速やかに医療を提供できる後方病床の
確保が重要である」と指摘。

救急支援機能については、
「円滑な救急医療体制の構築が喫緊の課題」
とした上で次のように問題提起した。

「高齢者の軽症・中等症患者
救急搬送件数の増加が顕著であり、
救急医療機関において重症救急患者
受入れられなくなるケースが生じている。

実際に、療養病床において救急搬送患者
受け入れている実態がある。
また、こうした地域のニーズを踏まえて、
救急医療機関と連携して療養病床
救急患者を受け入れる取組みが始まっている」

その上で、療養病棟の診療報酬上の「論点」として、
▽急性期医療、在宅医療及び介護施設の
 後方病床としての機能 
▽軽症・中等症の救急患者を受け入れている
 療養病棟に対する評価
─などを示し、意見を求めた。

療養病棟救急受け入れ機能について、
診療側の鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、
日本医療法人協会副会長)は
「地域の一般病床で受け入れるのが良い」と否定。

西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も、
療養病床は役割が違う」と退けた。

さらに、支払側の勝村久司委員
(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、
「機能が違う。積極的に評価することに違和感を感じる」
などと反対した。

これに対して、日本看護協会副会長の坂本委員が
専門委員は次のように述べ、療養病棟
救急機能を評価する方向性を支持した。

「軽症・中等症の救急患者を受け入れるのは、
本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思うが、
あまり病院がない所を見ると、今回の
新型インフルもそうだが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかった。

だから、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っている。
機能的にはちょっと違うかもしれないが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいい」

三次救急をめぐっては、"最後の砦"
であるはずの救命救急センターが
"最初の防波堤"になっているとの指摘もある。

勤務医の負担軽減という観点から、
三次救急を疲弊させている原因を
取り除こうとする今回の厚労省案は
妥当な方向と考えられるが、全日本病院協会会長の
西澤委員は次のように否定した。

療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということ。
要するに二次救急、あるいは一次救急
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。

そこのシステムを直すほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるから、
『直接、療養病棟へ』はあり得ないんじゃないか」

高度急性期への拠点化・集約化を進め、
その後方病床として「地域一般病棟」を
位置付けるべきとの主張にも聞こえるが、
果たして地方病院の実情を
踏まえたものといえるだろうか。


~~~~~~~~~


▼ 1997年から2007までの10年間で、
軽症、中等症、重症の伸びを比較。
軽症、中等症の増加が目立つのは高齢者。

○療養病床における救急患者の受入状況
 → 「救急受入れ患者ではない」のが86.9%。
救急車による救急受入れ患者」は3.4%と少ない。

▼佐藤課長は、「救急車で来た救急患者
(療養病床で)受け入れている割合はそう多くはないが、
これだけ救急車の出動回数が増えていて
後方病床が足りない中で、(療養病床が)
一定の役割を果たせるのではないかというのが
関係者の意見のようです」とコメントした。


~~~


○論点

1 急性期医療、在宅医療及び介護施設の
 後方病床としての療養病棟の機能に対する
 評価について、どう考えるか。

2 軽症・中等症の救急患者を受け入れている
 療養病棟に対する評価について、どう考えるか。

3 医療サービスの質的向上に取り組む
 療養病棟に対する評価について、どう考えるか。


多くの病院療養病床を持っています。
私も会員になっていますが、日本慢性期医療協会
(武久洋三会長)の話を聴きますと、
療養病床の役割として、
(論点)1にあるような、急性期医療、在宅医療
そのほか緩和ケア、認知症、維持期リハ、
難病などを挙げています。

論点2、「軽症・中等症の救急患者を受け入れている
療養病棟に対する評価について、
どう考えるか」とあります。
私も会員なのでいろいろな情報が入ってきますが、
療養病床でどうしてそういうことが可能なのか、
私は非常に疑問に思いまして、実際にやっている
病院に研修で行って聴いてまいりました。

資料25番にあるように、(救急医療機関と
療養病床のモデル連携を)東京と大阪でやられた
とのことですが、東京では(三次救急病院が)
1施設でわずかですが、大阪では
(三次救急病院)10施設、
慢性期病院33施設ということです。
大阪の2病院の研修で話を聴いてきました。
(中略)

2病院のうち1病院は、確かに療養病床
受け入れているのですが、院長の考え方は
急性期病床の考え方と同じで、私が見るところでは、
「ちょっと無理をしてやっているのかな」
という感じがいたしました。

療養病床が多い所では、療養病床の中で
機能分化が起こってくるのかなという気がしました。

もう1つの病院は、療養病床もありますが、
病院の中の一般病床でいったん受け入れて、
それから療養病床に行くということでした。
私も現実的には、日本中にそういうものを
適用することを考えますと、地域の「一般病床」で
受け入れるのが良いのではないか。
療養病床にはそれ以外の部分の役割のほうが
より多くあるのではないかという気がいたします。

ただ、療養病床の機能として、例えば、
高度急性期の病院に24時間体制で
どんどんどんどん患者が送られてきて、
その中に民間中小病院の一般病棟で診られるような
患者さんもかなりいますので、そういった患者さんを
早期に地域の中小病院に、あるいは
療養病床でも受けられる所も
一部あるかもしれませんが、
そういった所でトリアージ的な感じで
いったん受け入れていただいて、
早期に転出していくような
システムができますと、確かに高度急性期を
担う病院の負担軽減になると思います。

▼ここをもっと強調すべき。

それからもう1つは、「在宅療養支援病院」のような役割は、
療養病床を持っている病院
非常に向いていると思いますので、
そういう方向で話が進む分には良いと思いますが、
救急の評価というのは......。

確かこれ、点数を要望していると思います。
1日200点など。「今のままでやる」
と言っているわけではないと思います。

実際には看護基準などが充実している病棟、病床で
救急患者を)受けたほうがいいと思います。
やっぱりメーンは一般病床、あるいは急性期、
そういった所かなと思います。

また、論点3については、これはもう、質的向上に
取り組むということは非常に重要でございますので、
ぜひ療養病床でも評価していただければと考えています。


~~~~~


■「システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる」
─ 西澤委員
 
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]

論点の1(後方病床としての機能)ですが、
鈴木先生とほとんど同じです。(論点)3のQI(質の評価)は
当然のことなので、これは進めていただきたいと思っています。

まず、その前に資料の24(療養病床救急受入)と
25(救急医療機関と療養病棟の連携)ですが、例えば、
療養病床の救急受入状況」(の資料)で、
「医療区分1」で救急受け入れというのは
どうしてもイメージが分からないので、
もうちょっと詳しいデータを出していただきたいと思います。

本当の意味での救急患者を受け入れているのか、
救急車で来たから「救急患者」とは限りませんので、
そこら辺の資料を出していただきたい。


▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。

この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、
案2は「一定の基準(患者数や人員配置等)を
満たす場合に一律の評価」としている。

案1の「救急患者割合」は、「救急車あり又は
入院初日の初診料において時間外・休日・
深夜加算ありのDPC対象患者
/DPC対象患者数」という複雑な計算式で、
小児や産科の救急患者の場合には数倍してカウントする。
同分科会では、まだ意見集約できていない。

それから、(資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送(されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が受託する)」
とあるが、すなわちこれはどういう問題かと言うと、
療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということです。

要するに二次救急、あるいは一次救急、
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。

そこの「システム」を直すことのほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるんですから、
「直接、療養病棟へ」はあり得ないんじゃないかな
と思っています。


ミスマッチの患者、本来であれば
三次救急に行かなくていい患者、
療養病棟でいい患者が(三次救急に)行くのであるから、
それは療養病棟で受け入れるのは
当たり前だと思っております。

ということで、それともう1つ。
療養病床ではなく、「慢性期病床を持つ病床が受託」
という辺りはちょっと(表現が)いい加減なので、
先ほど鈴木先生の言い方では、(療養病床を)
持っている病院の一般病床で受け入れている例も
あるんじゃないか。
その辺りのデータも出していただかないと
私たちは議論できないと思います。

▼資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
大阪府緊急連携ネットワークの目的として、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が
受託することにより、3次救急の病床回転数を改善」とある。
ところで、「(療養病床を)持っている病院
一般病床で受け入れている例もある」と言うが、
むしろこれがメーンではないか。


~~~~~~


[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 
療養病棟入院基本料2」を算定している、
要するに慢性に経過するような病棟、病床に
入院している方については、「退院支援計画作成加算」
として100点、ただし入院中1回に限る
ということにしております。
(小声で)退院加算で100点ということになります。

[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
 
私は恐らくここにもう少し力を、
ポイントを置くべきだと思います。
恐らくケアマネージャーさんとか、
いろいろな方たちが入り込んでやっている
というのを身内で経験しましたが、それがうまく効果を、
やっているかということと、それからケアに対して
ポイントを置いていくべきだと思います。

それからもう1点、軽症・中等症の救急患者
受け入れるのは、本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思いますが、
実はあまり病院がない所を見ますと、
今回の新型インフルもそうでしたが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかったと思っております。

だから、「大きな病院に行きたくないな」
と思っていても、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っています。

機能的にはちょっと違うかもしれませんが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいいのかなと思います。

▼実態に即した意見。「機能分化」という
医療費抑制策を重視する病院団体と異なる。


[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、
中医協会長)]

(ちょっと困惑した様子で)はい、あの......、
「積極的に進める」ということではなくて、
事実上やっている所に対しては、
「コストに見合うような評価をしてもいいのではないか」、
こういうご意見ですね。
はい、ありがとうございます。


~~~~~~~



『療養病棟の救急受け入れ、反対続出』
『P2 → 療養病棟の現状 ─ 資料のポイント』
『P3 → 療養病棟の課題 ─ 資料のポイント』
『P4 → 救急のメーンは一般病床あるいは急性期』
『P5 → システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる』
『P6 → 軽症・中等症の救急受け入れは『亜急性期』で』
『P7 → 赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形』
『P8 → 新型インフルで療養型が大変ありがたかった』
『P9 → 区分1を上げないと機能しない』



最後の砦とも言われる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善する。

という方向性は正しいと思います。
でも、開業医に時間外に診てもらうとか、
療養型の病院にも時間外や救急をやってもらう。
というのは、現実問題としては
難しい
んじゃないですかねー。

だって、開業医ってほとんどの場合は、
医者1人だし。
療養型の病院でも医者が数人とかが多いし。
そういう病院は、高齢の医師が多い
んですよ。
実際のとこは。

1人しかいない医師に、夜中や朝まで働かせる。
とか、60代、70代の医師に夜中まで働かせる、
っていうのは、やっぱり無理でしょ。
普通は。


でも、だからって何もしなかったら、
勤務医は疲弊して、医療崩壊は進む、

っていう悪循環は続きますから。
何かやった方が良いんですが。

出来る範囲でやりましょうよ。


例えば、今でもちゃんとした医師会が
ある地域なんかではやっている事ですけど。
輪番制」を、もっときちんとする。
とかね。

「輪番制」っていうのは、地域の医師会や開業医が
中心になって、時間外の軽症患者を「輪番」で
受け持つっていう制度
です。

その地域に診療所が15あれば、月2回は、
17時から23時までは軽症の患者
病院に行かないで、「輪番の診療所」で診る

という形ですね。

今でも、雀の涙ほどの補助金は出ているのですが、
基本的には「ボランティア」に近いもんですよ。
地域の医療を崩壊から守るために、
ちゃんとした医師会があるとこではやってる、
って感じです。

こういうのは、もっと補助金を出してやる
という事が大事だと思います。
建前だけの補助金、ではなくて、
救急をやれば黒字になります。
これは、商売としてメリットがある、
という位
に出さないと。
民間病院、公立病院関係なく。

大変だけど赤字になります。
メリットは「救急やっている診療所」
っていう「看板」だけ
です。
では、やらないとこが多いのは当然ですよ。


それと、一応、月二回輪番制でやっているんだけど、
名前は出してるけど、実際は患者を診ていない、
というようなとこも、残念ながらあるので。
実際に診た患者の数に比例して補助金を出す。
という事にすれば、もっと本気で
診療所も救急やると思いますよ。

その輪番制に「療養型病院」なんかも入れて、
患者の数そのものに比例して補助金を出す。
という事にすれば良いと思うんですけどねー。

療養型病院」っていっても、比較的医師や
看護師、スタッフの数に余力のある病院は、
月2回と言わず、4回でも8回でもやれば良いし。
その分、患者をたくさん診たら、売り上げも上がって
収益も増える、っていうシステム
にすれば良いんですよ。


それが、本文の中で出てきた、


▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。

この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、



というのに相当するのかもしれませんが。
本当に、単純に患者の数に比例して補助金の額を増やす
というのが良いと思いますけどねー。


個人的には療養型病院には、
救急患者の受け入れを期待していません


それよりは、いわゆる「たらい回し
とも言われる、「患者受け入れ不能」問題。
この原因の1/3くらいは、「ベッドが満床」ですから。
これを解決する方が手っ取り早いかな、
と思います。

本文では「後方病院」という言い方をされていますけど。
急性期病院が満床近くなった時に、
療養型の病院で安定している患者
受け入れてくれれば、ベッドが空くんですから。

急性期病院から転院してきた患者数が
多い病院には加算をつける。

というようなやり方をすれば
良いんじゃないでしょうかね。

出来れば、転院の依頼があって、
その日か次の日位までに転院できれば、
より加算点数をつける。

という事にすれば、出来るだけ早く
転院の患者を受け入れようと努力しますから。

療養型の病院も利益が増えるし。
急性期病院も、すぐに患者を転院
させてくれるんだったら、ベッドが満床近く
なったら療養型病院にお願いして
少し安定している患者をすぐに受け入れてもらって。
その空いたベッドに救急患者を入院させる
という事ができますからね。

そうなれば、「ベッドが満床で受け入れ不能
という事も少なくなりますから。
患者も得をする、って事になると思うので。
良い案だとおもいますけどねー。

ちなみに、点数っていうのは簡単に言うと、
「料金」の事ですから。
加算点数っていうのは、料金が加算される、
っていう事ですよ。


あと、勤務医の負担を減らす、っていう意味では。
平日の時間内の病院の受診料の値段を上げる
っていうのが簡単な方法です。

外来患者で、初診料、とか再診料。
っていう料金、今も取っていますよね。
再診料っていうのは、同じ医療をしても
病院よりも開業医の方が高いのはけしからん。
って事で、前回の改定でも、今回も
問題になっています。

方向としては、病院の再診料を上げるか、
診療所の再診料を下げて同じ値段にする

っていう事になりそうですけど。

思い切って、病院の初診料、再診料を
開業医の2倍くらいにしたら良い
と思います。

そうすれば、病院の方が値段が高いから
開業医に行きます、っていう患者
特に、軽症の患者は増えますから。

勤務医の仕事って、時間内に外来も診て、
入院も診て、検査もやって。
それ以外に当直とか救急とか、
もちろん事務仕事とか勉強とか。
そういうのも全部やらなきゃいけないんですよ。

時間内の外来患者の数を減らすだけでも、
勤務医の負担は減らす事ができますから


開業医や療養型の病院に、無理に
時間外や救急患者を手伝ってもらって、
開業医も療養型病院も潰れる。
っていうよりは、診療報酬の配分などで、
出来る範囲で患者を分散させる、

って事の方が良いと思うんですけどねー。


民主党は何が何でも、公立病院や公的病院
(日赤や厚生病院)は潰さない

という方向のようなんですけど。

半径30キロの中で、病院が一つしかなくて、
しかも療養型の病院
って地域は、赤字だろうが何だろうが、
それは潰しちゃダメだと思いますよ。
そういうとこは、どうせ救急とかもやって、
時間外の患者も受け入れているんですから。
患者の数に比例して、補助金の額も上げて、
潰さないようにする、というのは大事だと思います。

でも、半径30キロ以内に、病院が10もある。
そんな地域で、公的な病院、いりますか?
なくなっても、他の病院がカバーしますよ。

その病院を維持するために、すごい額の
税金を使っているんですから。
そういうとこの病院は、公的病院といえども、
無理して守る必要はないんじゃないですかね。

歩いて5分で行けたのに、車で5分になって
不便になった、っていう人もいるんでしょうけど。
そのくらい、しょうがないじゃないですか。

少しでも不便になったら許さない。
でも、医療や税金が上がるのはイヤだ。
っていうのは、たんなる「わがまま」ですよ。


いろんなやり方があるとは思いますが。
とりあえず、「何でもやってもらう」
っていうのはかなり効率が悪い事なんで。
そういう方向に行かないで欲しいですね。
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この記事へのコメント
やはり……
Dr.I様>
 やはり、医療(に限らずどの分野でも)「きちんと負担を全体で分かち合う」ことは重要ですよね。今のままだと、医療は「過負荷でつぶれる」のは明白なのですから。ただし、厚生労働省が、「患者にいい顔をするために負担を医師に押し付ける」構造をどうにかするのが、まずは最優先ですが・・・・・・。
Lich[URL] 2009/11/23(月) 22:44 [EDIT]
>Lichさん
全部やる、ってのは所詮無理なんで。
それを求めたら逆に崩壊しちゃうよ、っていう事に気づかないとダメなんですけどねー。
どうしてわかんないんでしょうかね。
みんなで出来る範囲で、って事でやればよいのに。
Dr. I[URL] 2009/11/25(水) 00:29 [EDIT]
全部やる云々以上の問題が・・・。

 今の3次救急の受け入れ不能の根本的な問題はどっちかというと後方ベッド不足の問題でしょう。3次からのアウトフローがすっきりしていないからインフローが滞っている。
 ここで療養病床が救急患者を受け入れるようになれば(しかもそこに何らかの報酬が加わるとなれば)、当然ながら療養病床からのアウトフローが悪くなり、ひいては3次からのアウトフローも悪化することになります。

 療養病床に救急受け入れさせるってのは、便秘の患者が食えないからといって、尻から栄養剤送り込むようなもので、かえって症状を悪化させるのが目に見えてます(まあ、栄養剤なら浣腸効果があるかも知れないけどw)。
僻地外科医[URL] 2009/12/10(木) 07:55 [EDIT]
>僻地外科医先生
なんか、小手先の対策っていうか。
本質を考えないやり方だと、逆に悪くなる事もあるんですけどねー。
やはり、現場の人間が考えていないから、そういう案が出てくるんじゃないでしょうかね。
シンプルに、救急病院からの紹介患者を多く受ける療養型病院にはインセンティブを与えるってのが、個人的には良いと思うんですが。
Dr. I[URL] 2009/12/11(金) 23:45 [EDIT]

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