現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
  • 09«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »11
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
医療費増やして雇用と成長を
医療崩壊を防ぐために、
医療費を増やしましょう。
という事は、このブログでも
何回も主張してきました。

今までは土建国家として、
公共事業を行って雇用を確保
してきたっていう面もあるから。
公共事業自体が悪だ、
というつもりはありません。

でも、公共事業が減って
景気もすごく悪いんだから。
その替わりに、何か雇用を生み出す
ものにお金をかけるしかないんですよ。

「コンクリートから人へ」
ってキャッチフレーズは立派だけど。
そしたら、どうして医療費が増えるのを
嫌がっているんでしょうかね。
医療費を増やして、病院
雇用を増やせば良いじゃないですか。

2010年度の診療報酬改定で、
医療費そのものは、700億円増。
国費ベースでは160億円しか
増えていませんけど。
全然足りませんし。

そもそも、自民党が作った、
>地域医療再生基金は、当初予定の
3100億円から2350億円に減額
(地域医療再生基金750億円を執行停止)。


医師不足や救急医療などに対応して
自治体や個々の医療機関等に出している
補助金は、前年度の428億円から
120億円減の308億円に削減


なんてのもありますから。
補助金なんかを入れると医療にかけている
金額っていうのは減っている
んですよ。
残念ながら。


コメントでも指摘されましたけど。
一年位前は、結構、民主党政権に
期待していたんですよ、私。

まあ、選挙近くなってマニュフェスト
がはっきり出来てからは。
かなり怪しいな、って感じになって。
自民党と癒着していた既得権益が
離れる、っていう意味では良いけど。
それ以外は、たいして期待していない。

というスタンスに変わりましたけどね。
それも、ブログに書いています。

でも、医療に関してとか、
天下り、官僚支配をやめる。
とか、そういう事に関しては、
自民党よりはましかな、とかも
ちょっとは期待していただけに。
非常に残念ですね。


ちなみに、
医療費を増やして医者の給料を
上げるなんてけしからん。

と言う主張が良くありますけど。
医療費のうち、医者の分の人件費
というのは、1割くらい
のもんですよ。

開業医だと、自分の取り分は
人件費に入っていないから。
本当はもう少し高いけどね。

普通の病院だと、医療費当たりの人件費。
いわゆる人件費率、というのが約50%。
医師人件費率が10%位です。

公立病院の場合は、事務員など
医師以外の給料が民間病院より高くて、
医師の給料は、民間よりも低いので。
医師の人件費率はもう少し
低いですけどね、多くの場合は。

逆に言うと、医療費のうちの
4割くらいは、医師以外の人件費なんで。
そのお金で、いろんな人を
雇うことが出来るんですよ。

まあ、看護師とか薬剤師とか、
技師とかなんかは資格がいるんで。
誰でも雇える、って訳じゃないですけど。

医療秘書さんとか、医療補助員
等の職種は、資格いらないですからね。
どんどん雇えるように
すれば良いんですよ。

一応、医療秘書をある程度雇うと
ちょっと診療報酬が上がる、
という仕組みはあるんですけど。
はっきり言って、焼け石に水
程度の金額なんですよね。

どんなに医療が高度になろうと、
患者さんを運んだり、体を拭いたり、
とか、そういうのは
絶対に機械では変われないですから。

医療っていうのは、人材集約型産業
なんですよ。


儲かっている病院っていうのは、
たくさんの人を雇って、
良い医療をしている、
っていうのが現状です。

今のシステムでも、儲かっている
病院はたくさん人を雇っているので。
逆に、人をたくさん雇えば、
今以上に診療報酬も高くなる。
っていうシステムになれば、
病院ももっとたくさんの人を
雇うようになりますからね、

そうなれば、雇用も増えて
失業率も下がりますし。
GDPも上がりますから。
良い事ずくめなんですよ。


医療費って、無駄な金。
のような事を言われて、
なんか嫌われていますよね。
医療費削減、医療費削減の話ばっかで。
でも医療費だって、GDPに含まれる
立派な支出なんですよ。

テレビを買って、無駄に時間を使う、
っていうのが良くて。
医療費を使って、病気を治す、
っていうのが、何で悪いんでしょうか。


日本人の資産は1400兆円あって、
そのほとんどを高齢者が持っている。
っていう話とか、
よく聞きますけど。
そういう高齢者から、お金を
取れば良いんですよ。

後期高齢者制度の主旨はそれなんで、
方向としては悪くなかったんです。

お金を持っている老人からお金を取る、
という事に関しては、私も賛成です。

でも、「後期高齢者」っていう風に
年齢で分けてしまったのが良くなかった。
まあ、後期高齢者制度は、
もう少しでなくなるから。
もう関係ないですけどね。

でも、新しくなる制度で、
金を持っている高齢者からは、
きっちりお金を頂く。
という事はできるんでしょうかね。
ちょっと疑問です。


ssd先生がもっと具体的に
書いていたんで。
ここでも紹介させて頂きますね。
いつもお世話になっております。



医療費興国論

先日のエントリで、H19年の日本の
「自治体病院で4兆円の医療費が使われている」
と書きました。

まあ、厳然たる事実でしょう。
国民医療費の34兆円からすれば、
自治体の基幹中核病院で使われている
医療費などは4兆円のうち、
更に少ない金額でしかないでしょう。

どの病院がろくに患者のこない
僻地の斜陽病院で、どこの病院
野戦病院のごとき、中核病院であるのか
という厳密な線引きは難しいですが、
感覚的な比では中核病院
費やされ得る医療費は3兆円は
超えないのではないかと思います。

私自身、中核病院での勤務も、
僻地病院での勤務も経験がありますが、
確実に言えるのは、地方中核病院での
業務において、「無駄な医療」など
ほとんど無いということです。

高齢者は予後の悪いがん、
脳・大血管イベント、若者は事故に遭い、
急性腹症で緊急手術になり、
みんな命に関わるシリアスな状況なのです。

無駄を削ると言うことは、
そのまま患者さんの死を意味します。
もちろんそんな中核病院にも、
アレ気な、メンヘル、軽症患者、
コンビニ受診も来ますが、
あの手この手で追い出します。
(そのエネルギーも馬鹿になりませんが)

マジな患者以外はお呼びでないのが、
現実です。
圧倒的な需要過多。
このご時世に、他に
「客が多すぎて、困っちゃう。」
なんて景気の良い業界は滅多にありません。

それなのになぜ自治体病院
斜陽であるのかというと、
儲からないからです。

客がたくさんいるのに儲からないのは
国定の価格体系が原価割れしている
からに他なりません。

その原価を下げるために、民間病院では、
医療スタッフの給料を下げて、
薄氷の上のような経営を
余儀なくされています。

亀田理事長の「公立病院の看護師の
給料は高い。民業圧迫だ。」
という失笑ものの発言に至るわけです。

国民皆保険制度の、価格体系は、
始めに国家予算ありきで、
原価積み上げの合理的な
決め方をしていません。

今回、自民党を支持した開業医の
再診料を削って、病院に付け替える
というこ姑息な手段を取りましたが、
本質的な構造問題には立ち入っていません。

これから団塊世代が、死亡年齢に
差し掛かる時代。
取るべき道は、多くありません。

1. 給付水準を下げる
2. 保険料を上げる
3. 税金で何とかする
4. 受益者負担
5. 原価を下げる

これらは、独立ではなく、
複合的に行われることでしょう。

1.給付水準を下げる・
2. 保険料を上げる・
4. 受益者負担
を複合的にやろうとしたのが、
後期高齢者医療制度でした。

でも爺婆が、ふざんけんな
と蹴ってミンスを選びました。

3.は自民党も訴えていました。
景気を回復させた上で消費税を上げる
というのを麻生が言っていましたが。
これも国民の皆さんが
拒否しやがりました。

5.は、つまりは、
医療労働者はもっと安く働け」
「ゾロを使え」「外国人をこき使え」etc.
医師の数を1.5倍にするのも
その一環でしょう。
ま、ミンスのどの政策も
うまくいかないでしょう。

話は変わりますが、OECD加盟国中
底辺レベルの日本の医療費ですが、
なぜ医療費が増えるといけないのでしょうか。

医療費は別にどぶに捨てる
お金ではありません。
医療費が使われれば、病院は儲かり、
職員には給料が支払われ、
病院を建築する建設業や、機器を納入する
会社は利益を上げ、お金は天下を回ります。
GDPが増えます。

問題は、そのお金を誰が出すかというと、
これから起こる団塊世代のご臨終に
使うお金なんですから莫大な資産を
お持ちの団塊の皆様が出すのが筋でしょう。

終身雇用・年功序列型の
ネズミ講でため込んだ資産を温存して、
貧困に落ち込んだ若い世代や、
子孫に負わせるのは、
人非人的行為です。

ただ、一口に団塊と言っても、
団塊間の格差というものも
無視できないのです。
金持ちじいさんと貧乏じいさんが
いるわけですな。

この辺の富の再分配も団塊間でやってね。
とはいえ、日本は民主主義国家です。
人口ピラミッドが高齢化社会である以上、
選挙で、そうした高齢化問題を
ドラスティックに解決するような政策を
唄う政治家が勝てる道理がありません。

しかし、子ども手当などと言う、
とてもまともでない、有権者数の少ない層に
アピールして選挙に勝つことも
可能であったもの事実であり、
やりようによっては、
不可能ではないかもしれません。


『医療費興国論』



昔は、自治体病院の給食のおばちゃん、
掃除のおばちゃんの給料が
年収1000万円以上で。
退職金も数千万円
っていう時代もあったようですけど。
さすがに、今はほとんどが
外部委託になってるので、それはないです。

今でも、自治体の基幹中核病院でも
公立病院」の場合は、はっきり言って、
卸問屋から舐められるんで。

民間病院の場合は、定価の4割引、
5割引
は当たり前でも。
公立病院の場合は、1割引き、2割引き
しか引いてくれない。
というか、ふっかけられている。

という現状とか。

昔は「随意契約」で、どっかの
天下り先のくだらん業者から、
高い金で契約していたけど。
最近は、そういう露骨なのは
さすがに減りましたけどね。

一応、名ばかりは「自由入札」
っていう事になって公平だけど。
本当は、入札にものすごい
細かい条件をつけて。
結局、条件に合う業者は1社だけ、
なんてのは、今でもありますから。

正直、無駄金っていうのもありますけど。
「無駄な医療自体は、お偉いさんが
思っているのは単にイメージだけで。
ほとんどないと思いますよ。

まあ、それは公立病院に限った事
ではないんでしょうけどね。


そういう細かい事は放っておいて。
ssd先生がおっしゃる通り、

医療費は別にどぶに捨てる
お金ではありません。
医療費が使われれば、病院は儲かり、
職員には給料が支払われ、
病院を建築する建設業や、機器を納入する
会社は利益を上げ、お金は天下を回ります。
GDPが増えます。


わけですから。
「コンクリートから人へ」っていうなら、口ばっかりじゃなく、
本当に医療費を増やすべきでしょう。
スポンサーサイト
この記事へのコメント
やはり……
Dr.I様>

 民主党、いろいろとボロが出ていますね。まあ、「だめモト」ですからあんなものかと^^;
 医療費削減論、究極的には日本人の「サービスはタダ」という思い込み・(「目に見える形で)額に汗する(例えば建設や農業など)以外はまっとうな仕事ではない」という変な信仰のせいなのでしょうね。なんとかしてほしいものですが「どうにもならない」のでしょうか……(嘆息)
Lich[URL] 2010/01/12(火) 08:03 [EDIT]
民主主義とは、国民全般のレベルに応じた政府を持つということですからね。
自己責任の最たるものです。

民主主義よりベターな方式として何か対案あります?
残念ながら善政で栄えた古代国家はすべて後世の馬鹿が滅ぼしてしまいました。
滅ぶなら自らの責任で滅ぶ方がいい。
民主主義[URL] 2010/01/12(火) 16:12 [EDIT]
>Lichさん
個人で考えたら、払う金が少ない方がよい、っていうのは当たり前ですけど。
国が金出す、って言ったって、所詮は国民の税金ですからねー。
無料ではないんですが、それを理解されている人、少ないんでしょうね、残念ながら。
Dr. I[URL] 2010/01/12(火) 23:19 [EDIT]
>民主主義さん
まあ、医療費をもっと削る事を国民が希望するなら、その結果、近くで病院にかかることはできなくなって、待ち時間も増えるし、不便になりますよ。
っていうだけですから、自業自得ではありますけどね。
国民がそれを選ぶなら、しょうがないですよ。

でも、そうなって欲しくないから、こうやって少しずつ訴えているんですけどねー。
広まらないようですが。
Dr. I[URL] 2010/01/12(火) 23:21 [EDIT]

管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバック
TB*URL

Copyright © 2005 健康、病気なし、医者いらず. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Add to Google My Yahoo!に追加 健康、病気なし、医者いらず