現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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時間外手当を求め、提訴したわけ
m3で子持ち産婦人科女医、野村先生の話が
話題になっていますね。

このブログでも良く取り上げている、
医師時間外手当に関してのものです。

私を含めほとんどの人が、実際に裁判を
起こした事がないので、詳しくはわかりませんけど。
相当大変だったんでしょうね。
しかも、天下のトヨタ系の病院ですし。

とりあえず、和解で決着したみたいです。
お疲れ様でした。
長くなるので全文は出しませんけど、
全部読みたい人は、後ろのURLを
参考に読んで見て下さいね!



時間外手当を求め、提訴したわけ
橋本佳子 (M3)


子持ち産婦人科女医・当直民事訴訟奮闘記」を
愛知県在住の産婦人科医、
野村麻実氏にご執筆いただきました。

野村氏は2009年4月から9月までの間、
愛知県刈谷市の刈谷豊田総合病院に所属、
その間の所定労働時間外の勤務が、
「宿日直」ではなく、時間外労働に当たるとして、
その手当を求めて同病院を提訴しました 。
2011年12月15日に和解に至っています。

「毎月80 - 100の分娩を手掛けていました 。
週の予定手術件数は8 - 12件で、その上、
緊急手術が入ります。
1日に4件の緊急帝王切開
という日もありました」(野村氏) 。

訴状によると、例えば2009年7月の場合、
月100件の分娩のうち、47件が
所定労働時間外で、1日平均1.5件の
分娩が時間外に発生しています。
当時の産婦人科は8人体制で、うち4人が
野村氏も含めて子育て中の女性医師

野村氏は適正な手当ての支払いを病院
求めても対応がなされず、 労働基準監督署に
相談しても短期間のうちに3人も担当が変更、
提訴を決意しても労務問題に詳しい
弁護士を探すのに苦労。
提訴後も、裁 判官に判決を求めても、
和解を勧められ、最終的には応じています。

野村氏の提訴は、個人的な問題解決と同時に、
実態は通常勤務と変 わらない勤務であっても、
「夜間や土日曜日の勤務=宿日直」
として扱われてきた医療界に、
一石を投じた意味があり ます。

だからこそ、「判決文がほしいのです」
と野村氏は求めていますが、担当裁判官からは、
「和解額を見れば判決と同じくらいの
意味がありますから」と言われる始末。

野村氏が訴状で求めたのは、280万 1290円
(割増賃金合計から、既払金を差し引いた額)。
これに対し、和解金は280万円。
確かに金額だけを見れば、野村氏の訴えが
認められたわけですが、野村氏の当時の
勤務実態が宿日直か時間外勤務かの
法的はなされていません。

なお、今回の和解について、刈谷豊田総合病院に対し、
(1)宿日直扱いか、時間外手当を支払う
対象となるのかの判断基準、
(2)和解した理由、などについて
取材を申し込みましたが、応じてもらえず、
「長期の紛争を続けるのは、当院の本意ではないので、
円満な和解の道を選択した」
との回答が得られたのみでした。

宿日直が時間外勤務に当たるとして、
提訴した例には、奈良県立奈良病院
産婦人科医のケースなどがあります
『時間外手 当裁判、奈良県が上告したわけ』を参照)。

本裁判は、一審、二審とも医師側が勝訴、
しかし、県が上告したため、確定はしていません。

そもそも宿日直問題は、金銭的問題以上に、
医療安全の観点から解決すべき問題。
「宿日直」扱いであれば、労働基準法で言う
労働時間にカウントされず、過労死ラインは
「月80時間以上の時間外労働」 と言われますが、
そこにも含まれません。

ほぼ通常業務に近い「宿日直」明けの勤務では、
集中力が落ちるとの報告もあります。
時間外勤務と宿日直の問題は、個人の力に
頼るのではなく医療界全体で、
また司法の力によらず、行政が
解決していくべき問題です。


『2012年01月24日 m3ニュース 』


普通、こういう事例で和解すると、
守秘義務」っていうのを付けて、
金を払うけど内容は公開するな、
病院が言って来る事がほとんどなんですけどね。
ネット上で公にしている、っていう事は
守秘義務がなかったという事なんでしょう。

多分、野村先生の方が和解の条件として
守秘義務をつけない、という事を言ったんだと思います。
このような病院とのやりとりが詳細に公になった、
という事自体、画期的な事だと思います。



病院が患者さん(保険会社)からもらうお金って、
診療報酬という点数で決まっているんですけど。
その中に「勤務医の負担軽減」という点数があります。
それが2012年度の診療報酬改定で、
6項目追加、5項目が新設されて
14項目に拡大されます。

その内容っていうのは、今までは
(1)総合入院体制加算
(2)医師事務作業補助体制加算
(3)ハイリスク分娩加算
(4)急性期看護補助体制加算
(5)栄養サポートチーム加算
(6)呼吸ケアチーム加算
(7)小児入院医療管理料
(8)救命救急入院料

です。

んで、今回新たに
(9)総合周産期特定集中治療室管理料、
(10)小児特定集中治療室管理料(新設)
(11)精神科リエゾンチーム加算(新設)
(12)病棟薬剤業務実施加算(新設)
(13)院内トリアージ実施料(新設)
(14)移植後患者指導管理料(新設)

の6項目が追加される予定です。

もちろん、医療クラークに書類を書いてもらったり、
看護師や栄養士と一緒に仕事をして、
勤務医の仕事を減らすって事も重要ですけど。

それ以前に医師にきちんと時間外手当を払わない。
という、労働基準法に違反している病院
たくさんあって、それが医療崩壊を促進している

っていう現状があるんですよ。

小手先の対策ではなくて、もっと根本的な解決策を
作らないと、結局は改善しないんですけど。
きっと、わかっていて確信犯的にやっていないんでしょうねー。
とても残念です。


参照:
『子持ち産婦人科女医・当直民事訴訟奮闘記◆Vol.1』

『子持ち産婦人科女医・当直民事訴訟奮闘記◆Vol.2』

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