現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
告訴ないのに医師を書類送検(追記あり)
医療崩壊の原因の一つとして、
医療訴訟」というのがあります。

民事訴訟を起こす事自体は、
国民に認められた権利ですから。
これを制限すること自体は難しいのですが。

刑事訴訟に関しては、ちょっと別だと思います。

ほとんどの場合は、遺族から被害届が出て、
それを受けて警察が書類送検する。
という形なのですが。

単なる「合併症」で患者さんが亡くなられて。
病院側も、もちろん合併症であると主張して。
それを、遺族の方達も納得しておられている。
当然、被害届なんかも出していない。

という様なものも、結果が悪ければ全て
書類送検」する、という事では
医療崩壊が加速するのは、間違いないと思います。



告訴ないのに医師を送検
医療現場から反発強まる可能性も


食道静脈瘤の内視鏡治療後に患者が死亡した事故で、
近江八幡警察署は6月末、医師2人を書類送検した。

だが病院側は過失を否定している上、
遺族からの被害届もない。
警察の対応には疑問点も多い。

 

問題となった事故は4年前に起こった。
2005年10月、近江八幡市民病院
(現・近江八幡市立総合医療センター〔滋賀県〕)の
消化器内科医が、肝硬変で食道静脈瘤だった
当時69歳の男性に内視鏡的硬化療法・結紮術を行った。

その時、オーバーチューブで
食道入口部右梨状窩を誤って7~8mm損傷した。


主治医は損傷に気付いたが、まずは治療を続け、
瘤の硬化、結紮は成功。梨状窩の損傷に対しては
外科治療と内科治療の選択肢があったが、
患者の肝機能が悪く手術は厳しいと判断。

複数の消化器内科医で話し合った上で
「消化器内視鏡ガイドライン」に従って保存的治療を行った。


その後患者に変化はなかったが、
治療後4時間たって突然呼吸苦を訴え急変。

呼吸不全となり20分ほどで心肺停止に陥った。
心肺蘇生を試みるも午前零時過ぎに死亡。
病院は警察に異状死の届出をした。


翌日、同病院は医療安全管理委員会を開き、
事故をこう分析した。

「梨状窩損傷の事故はあったが不可抗力的なもので、
適切な対応をしており過失はない。
死因については、梨状窩損傷を引き金に
複合的な要因で起きたもので、
創傷治癒の遅延から起きた喉頭浮腫、
または損傷部から出た血液の誤嚥による
窒息死と考えられる─」。

ところが、近江八幡警察署は今年6月、
担当医2人を業務上過失致死の疑いで
大津地検に書類送検した。


医師間でも処置の判断が二分

警察は、司法解剖の結果、事故で生じた
食道上部右側穿通によって左右胸腔へ空気が侵入し、
遷延性窒息が起きたことが死因と発表した。

主治医らは、治療終了後にCT検査を行い
皮下気腫、縦隔気腫を確認したにもかかわらず、
外科・内科両方の治療法がある中で
専門知識を持つ外科医に相談せず
適切な措置を怠った、というのが警察の判断だ。


一方、同病院医療安全管理室主幹の
尾田憲章氏は本誌取材に対して、
「CT検査で縦隔気腫は認めたものの、
気胸はなかった点を確認しており、
気胸による遷延性窒息が死因ではない」
と反論した。


そもそも、損傷部への不適切な対応を指摘した
近江八幡警察も「内科医は保存的治療を推奨し、
外科医はそれでは十分でないとするなど、
医師の中でも判断は分かれ、
非常に難しいケースだった」
と話す。

診療時間外で主治医らが外科医に相談できなかった上、
ガイドラインに従って対応したという点からも、
明確な過失があったかどうかの線引きは難しい。

 
もう一つ、本ケースが異例なのは、
遺族側が告訴していないのに捜査が進んだことだ。

警察庁刑事局刑事企画課の田中勝也氏は、
個別の事件については分からないとしつつも、
「一般的には、警察は患者遺族側からの
被害届が出てから捜査に乗り出すことが多い」
と話す。

同病院の尾田氏は
「事故後すぐ、病院は遺族に説明して謝罪し、
良好な関係を築いていた。
なぜ警察が事件として取り上げたのか腑に落ちない」
と語る。


帝王切開手術を受けた妊婦が死亡し、
担当医が起訴されたものの、08年8月に
無罪となった福島県立大野病院事件以来、
医療過誤に対する捜査はより慎重になったといわれる。

大津地検が今後、医師を起訴する判断を下せば、
こうした“流れ”に逆行することになる。
その場合、医療現場の捜査機関への
反発がぶり返す可能性もある。


「日経メディカル:2009. 8. 5」



書類送検」というのは、「起訴」された訳ではなく。
その名の通り「書類が送られた」ってだけの話なんで。
本当は、ニュースになる問題でもないんですけどね。

やっぱり、既存のマスコミとかで「書類送検
っていう事で報道されちゃうと、

病院や医者が悪い事したんだろ。

という目で、一般の人たちには思われます。

そんな事言うんだったら、お前もブログの記事にするな。
と言われたら、元も子もないんですけどねw


私の周りでも書類送検された医者はいますけど。
そうなると、本人も廻りの医者も、
いろいろ話を聞かれて、日常業務が滞るようです。

医者から聞いた話を、素人の警察が文書にしても、
全然話が違っちゃうみたいなんですよ。

もちろん、内容が違うままにしておいたら、
その内容によって、現場の医師
不利になる場合もあるので。
当然、間違っている所は訂正して。
またやり直してもらっても、やっぱり全然違う。
なーんて事もあるようですからね。

相当、大変だと思います。

ただでさえ、日常の臨床で忙しいのに、
余計な事務仕事がまた増える
っていう事で、医療崩壊が更に進む
っていう面もあるし。

何より「医者だって人間ですから」。
そういう無駄な事に時間と労力を費やされたら、
心が折れる
という事になります。

現場の医師の心が折れて、逃散するから、
医療崩壊が進んでいる。

という現状をきちんと認識して。

医療を始め、専門的な知識を要する事に関しては、
書類送検」をする場合にも、
きちんとしたルールなり、運用方法なりを
作った方が良い
と思いますけどねー。



「追記」

すいません。
一応、書類送検に関しては、
それなりに知っていたつもりだったんですが。
ちょっと勘違いしていた部分があったので、訂正します。

>「書類送検」というのは、「起訴」された訳ではなく。
その名の通り「書類が送られた」ってだけの話


んで、警察が検察に判断を丸投げするもんだ。

ってとこまでは、私も知っていたのですが。



記事訴訟法や同法規則、国家公安員会規則の
犯罪捜査規範などの法令で、警察が捜査した結果は、
全て例外無く検察に報告して、起訴か不起訴かを
検察に決定して貰わなければなりません。

すなわち書類送検というのは、警察の捜査結果報告書を、
上級庁の検察に送ることです。
この手続は上記の不例規則等により、
警察が捜査した全ての事件について
義務付けられております。

司法解剖が行われたら、被疑者不明だろうが、
起訴処分に否定的な警察の意見が付こうが、
とにかく警察署は捜査結果の書類一式を
検察に送る義務がある。

警察や検察にとっては、法令や規則に基づいた
ルーチン的業務処理なんですが・・・。



という事だそうです。
勉強不足でした、すいません。


警察庁刑事局刑事企画課の被害届云々のコメントは、
読めば分かるとおり本事件の詳細を知った上での
コメントではなく、刑事捜査の一般論としての論評でしょう。


うーん、そうですか。
私も、勘違いしていました。


勤務医の過重労働を普通の労働に
勤務医のあるべき労働環境
—なぜ労働基準法労働組合を活用しないのか?—

っていう講演が、6月20日に東京で行われたんですが。
私は行けなかったんですよ、残念ながら。

聖隷浜松病院 腫瘍放射線科主任医長、
崔 秉哲先生
の講演は、ダイジェスト版だけなら
聞いた事があるんですが。
今回は、合計2時間の講演だったようです。

その時のアナウンス文が、こちら。


勤務医のあるべき労働環境
—なぜ労働基準法労働組合を活用しないのか?—

聖隷浜松病院 腫瘍放射線科主任医長
崔 秉哲先生

6月20日(土)16:00〜18:00
東京保険医協会セミナールーム
参加費無料

09年3月、都内で総合周産期母子医療センターを持つ
日赤医療センターと愛育病院が、
相次いで労働基準監督署による是正勧告を受けました。

「名ばかり管理職」問題と、医師"当直"と称する
夜間勤務体制は、労働基準法に違反しているとして、
改善が求められています。

いま、勤務医の過重勤務を『労基法を遵守した普通の労働』に
近づけることは、医療再生にあたっての
大前提と考えなければなりません。

講演では、滋賀県で労働基準監督署を活用し、
労働組合を活性化した崔 秉哲(さい へいてつ)先生から、
労働基準法の基本解説とともに、勤務医
労働環境改善への手順についてお話いただき、
医療再生のために保険医を含め、国民各階層に求められている
課題を探っていただきます。



その時に話された内容の要約が、
「東京保険医協会」のHPにアップされたようなので。
ちょっと引用させてもらいますね。


勤務医の過重労働を「普通」の労働に 
勤務医の労働環境テーマに講演会

東京保険医協会は6月16日、協会セミナールームで
聖隷浜松病院腫瘍放射線科主任医長の
崔秉哲(さい・へいてつ)先生を招き
勤務医のあるべき労働環境
-なぜ労働基準法労働組合を活用しないのか?」
と題した政策講演会を開催した。

参加者は、医療関係者やマスコミ関係者等38人。
崔先生は、勤務先の病院を労働基準監督署
告発した経験をもとに、勤務医の宿直の問題、
勤務医の労働環境改善のために何が必要かを語った。

はじめに崔先生は、滋賀県立成人病センターで
「名ばかり管理職」の医師に残業代が
支払われていなかった実態を報告した。

労基署は08年4月に成人病センターを含む
3県立病院に対し是正勧告を行い、その後、
県立成人病センターでは、医師労働組合に加入し
病院長と労働組合代表で36協定を締結した。

崔先生は、「医師側が譲歩した面はあるが
少なくとも過労死水準といわれる勤務態勢を回避し、
働いた時間の賃金が保障されるという改善がなされた」
と語った。

労働基準法では、公立病院に勤務する地方公務員を含め、
医師も労基法による保護の対象となる。
しかし、時間外勤務手当が支払われない、
いわゆる『名ばかり管理職』の問題も現実に起きている。

医師が労働組合に加入することに抵抗感がある。
加入すると孤立するようなことはないか」
との参加者からの質問に崔先生は、

「病院(使用者)は36協定を結ばなくては
時間外労働や休日労働をさせることができない。
労働組合医師が加入していないと
勤務医の労働条件を定めた36協定は
結ぶことができない。
病院としても勤務医にも労働組合
加入してもらいたいはずだ」
と回答した。

現在の厚労省基準では、1ヶ月の救急診察日数が
16日以上の場合、宿直者1人あたりの
勤務時間は1時間以内でなければならない。

1時間を超えれば、宿直業務が認められなくなる。
したがって、数人の医師が宿直勤務し、
数時間ごとに交代制を行っていることにしなければ
基準をクリアできない。

実際は宿直医が1人で数時間におよぶ
深夜の緊急外来を担当しているにもかかわらず、
である。

多くの勤務医は、朝8時から夕方5時までの
通常勤務に続き、宿直が翌朝9時まで。
そして休むことなくさらに夕方6時までの
通常勤務に突入する。
全部で34時間から40時間の連続勤務だ。

しかし現在、宿直時間は『勤務』とは見なされていないため、
代休の対象にもならない。
宿直中はまとまった睡眠時間もなく、
いつ起こされるか分からない状態におかれるため、
精神的にも肉体的にも疲労がたまる
-そう訴える勤務医は多い。

しかし、多くの病院で医師の増員は難しく、
夜間の救急外来を交代勤務制にすることは
不可能という実態がある。

こうした状況を踏まえて崔先生は、
「宿直時間を『勤務』と見なし勤務時間に算入すると、
過労死水準を超えてしまう。
そのための医師を増員しなければならなくなる
という新たな問題が生じてしまう」
と問題点も指摘した。

解決すべき点として、
「まず勤務医の過重労働を
『労基法を遵守した普通の労働』に近づけること」
と強調する崔先生は、
「低診療報酬である現状で病院が
この問題に取り組むと経営破綻することは明らか」
として、
「1病院で勤務医の労働実態を
改善するには限界がある。
問題の根本的解決の責任は行政と政治にある。

労基法を遵守した勤務にした場合に、
必要な医師数、医療費等を積み上げ、
勤務医の労働問題改善と
診療報酬改善を要求していくことが必要」
と強調した。

最後に勤務医の労働環境改善について崔先生は、
「それは社会保障費の拡充によってなされるべきであり、
医療再建のため何が必要か
患者・国民の理解を得て一緒に進めていくことが大切。
勤務医の労働時間の解決が
医療再生の大きな一歩となる」
とまとめた。


「東京保険医協会」



崔秉哲先生は、本文にも書いてある通り、
滋賀県立成人病センターで「名ばかり管理職」の医師
残業代が支払われていなかった。
っていう事を、労働基準監督署に告発した先生です。

これ、全国ニュースにもなって、新聞なんかでも
大々的に出ていたから。
覚えている人も結構いるんじゃないですかね。

ここ1,2年、医師の時間外手当の訴訟とか、
労働基準局からの勧告の話とか。
いろんなとこで話題になっていますけど。
その先例を作ってくれた先生ですね。

一見過激な事のようにも思えますけど。
でも、タイトルにも書いてある通り、
>「勤務医の過重労働を「普通」の労働に 
って事を主張しているだけですからね。

今までが過労死寸前まで働いていたのを、
普通の労働にしてくれ。

っていう事を主張しているに過ぎません。
働いた分の手当ては払ってください。
という、医師以外の職種では当たり前の事

主張しているに過ぎませんからね、これ。

当然の事ですから、医師としては
どんどん支持していきたいと思います。

今だに「医長」だから、管理職だ、とか。
挙句の果てには、「研修医」でも管理職だ。
って言って、時間外手当を払わない、
なーんて病院もたくさんありますからね。
今の日本には。

そんな病院、崔秉哲先生に告発されちゃえば良いのに


ほんとに、時間外手当も払わずに、医師をこき使うだけなら、
日本の医療は崩壊しますよ。
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)

紫色先生、名誉毀損でまた勝訴
『名誉毀損で医師が勝訴!』
など、このブログでも何回か紹介した事のある、
紫色の顔の友達を助けたい」先生が、
また名誉毀損訴訟で勝訴されましたよ。

紫色の顔の友達を助けたい」先生は、
2001年に心臓手術を受けた12歳の女児が
死亡した「東京女子医大事件」 で不当逮捕された、
綾瀬循環器病院、心臓血管外科医の先生です。

東京女子医大事件の被告なんで、これだけでも大変なのに
東京女子医大事件関連報道の訴訟まで行なわれています。


本人訴訟っていって、弁護士をつけずに、
1人でやっていますから。
ホント、大変ですよ。
2連敗の後の2連勝ですね。
とりあえずは、おめでとうございます。



詳しい話は、紫色の顔の友達を助けたい」先生のブログ
『勝訴!対集英社および毎日新聞記者ら
本人訴訟-名誉毀損賠償80万円ー第1報』

に載っていますから、興味ある人は是非読んでね!


これに関しての毎日新聞の記事はこちらです。



賠償訴訟:集英社と本紙記者に賠償命令 医療問題単行本で

01年に東京女子医大病院で心臓手術を受けた
女児が死亡した事故で業務上過失致死罪に問われ、
1審で無罪(検察側控訴)になった元同病院助手(45)が、
毎日新聞医療問題取材班の著書で
名誉を傷付けられたとして、発行元の集英社と
取材班の記者に1000万円の賠償を求めた訴訟で、
東京地裁(石井忠雄裁判長)は8日、80万円の支払いを命じた。

問題となったのは、毎日新聞の連載記事をまとめた
医療事故がとまらない」(集英社新書)。

取材班は入手した内部報告書の内容などから、
人工心肺装置を操作した元助手がポンプの回転数を
上げ過ぎたことを事故原因に挙げたが、
判決は「真実とは認められない」と判断。

「新聞連載(02年1~8月)の時点では
真実と信じるのに相当な理由があったが、
03年12月の書籍発行までには報告書の内容に
疑問を呈する学会報告が出されており、
記事を見直す必要性があった」と指摘した。

集英社広報室の話 主張が認められなかった判決であり、
ただちに控訴した。


『2008.1.29:毎日新聞』


ぐはっ。
ただちに控訴ですか。
まだまだ、紫色先生の苦難は続きそうですねー。
ホント、お疲れ様です。

Yosyan先生のブログ「新小児科医のつぶやき」の
『紫色先生、御苦労様です』
に、わかりやすくて詳しい解説が載っていたので、
こちらも読んでみてね!

医療事故がとまらない」の本は、まだ私は読んでなくって。
これから、Amazonの古本で注文しようかな、と思ってるんで。
本文に関しては、ブログからの引用になるんですが。


毎日新聞、集英社側の言い訳は、「E医師
という書き方をしているから、匿名だから名誉毀損に当たらない。
って事を言っているようですけど。


医療事故がとまらない」(以下、「本件書籍」と呼ぶ)の記述では、
手術が行われたのが東京女子医科大学病院であること、
手術の時期及び内容が2001年3月2日で
心房中隔欠損症の心臓手術であったこと、
手術を受けた患者の氏名や年齢が平柳明香氏で
12歳であったこと等も明記している(乙第1号証、18頁および20頁)。

したがって、本件記述では、東京女子医科大学病院の
医師の氏名のみが匿名にされているに過ぎず、
読者に対して、事案を特定するための手がかりを
与えないようにするといった配慮は何らなされていない。


と、完璧に否定されてますね。
こりゃ、当然ですわ。

最高裁判決の判例で、名前をぼかしても、
本人を特定できるのであれば、名誉毀損は成立する。
っていうのがありますから。

これ、すごく有名な判例なんでで、
私のような素人でも知ってるんですけどねー。
天下のM新聞が知らないはずがないのですがw

それと、これも言い訳できませんね。


3学会報告書が、本件書籍にある内容の事実に関して
疑問を呈する報告を発表し、その内容の一部は
NHKのテレビニュースで2回も報道され、
専門誌にも紹介された。

被告は、女子医大の内部報告書は、
3学会報告書によって完全否定されたわけではないので、
これを検討しても内部報告書の内容に
疑問を抱く契機にはならなかったと主張が、
「両者の意味内容は全く異なるものである上、
内部報告書が3学会報告書と比べて
信用性が劣るものであることは前記で説示したとおりであること。

加えて、装置自体の欠陥を指摘する声を被告は報道しており、
人工心肺装置自体の問題の存在にも
十分な関心を持っていたのであるから、
3学会報告書の内容を真摯に検討すれば、
原告の操作ミスの存在を摘示した記載の記載内容を
真実の記載として維持することが困難であることを
容易に認識し得たものといわざるを得ない。



マスコミっていうのは、正しい情報を収集して、
それを国民に伝える
のが、仕事なんでしょ。
読者数や視聴率を稼ぐために、根拠のない医師叩きをして、
間違っていたら、「専門家じゃないからしょうがない
とかって、言い訳はできませんよ。

1年も経って、間違っている可能性が非常に高い、
ってわかってるんですからね。


この内部報告書っていうのは、心臓の手術にも関わらず、
心臓血管外科医が入らないで、
人工心肺の事がわかる人が1人もいない。
そういう、専門家が1人もいないチームが書いた
内部報告書
ですからね、所詮。
内容は、いい加減この上ない物なんですから。

そういう事が、1年経ったらはっきりしたんですから。
百歩譲っても、1年後の段階でこういう、
いい加減な本を出してはいけませんよ。



最後に、紫色の顔の友達を助けたい」先生のブログから引用。
これが、医療現場で働く全ての医師の言葉を代弁していますかね。



被告が控訴するしないは、自由である。
しかし、本件判決は、新聞記事に記載した内容を
安易にそのまま書籍にして新たなる利益を
得ようとした態度に対する警句である。
逮捕、起訴の段階で不十分であったかもしれない情報に、
学会という専門家の意見、担当省庁(厚生労働省)の勧告、
被告人の無罪の主張を無視して、自らが勝手に決定した
スケジュールで出版した姿勢を反省して欲しい。
といってもこの毎日新聞医療問題取材班は消滅してしまった。


医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
クリックすると、アマゾンに飛びます。

→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)


ブログランキングの応援もよろしくね!
 ↓ ↓ ↓
医療事故と交通事故の違い
医療っていうのは、そもそも危険が伴う行為ですから。
手術等の医療行為をしなかったら死ぬかもしれない。」
という患者医療行為を行う事によって、
生き延びさせる事が出来れば幸い。

というようなものなんですけどねー。
本来は。

火事があって、家が燃えて。
それを消火しようと思ったけど、
消防隊が家を消火できなくて、家が全焼した。
って事があっても、消防士が訴えられる事はないでしょ。

それと同じ様に、手術等の医療行為をしなかったら、
死んでしまったかもしれない

という患者を、手術をしたけど助けられなかった。
という事で、医者も訴えられる事はない
というのが、普通だと思うんですが。

何故か、医者の場合は訴えられて。
下手したら裁判で有罪になっちゃったりするんですよね。
業務上過失致死傷罪」で。
医療事故の場合でも、交通事故の場合と同じように。

正直言って、前からそれはおかしい。
って思っていて、ブログでも何回か書いた事はあるんだけど。

ちょうど、MRICメルマガで、こういうのに関しての専門家、
医療・法律研究者の方が、
福島大野事件判決の解説を書いてくれていたので。
ここで紹介しますね!



Medical Research Information Center (MRIC) メルマガ 

臨時 vol 142 「福島大野事件判決解説1」
2008年10月8日発行


■□ 結果回避義務について  
  ~医療事故と交通事故の違い~ □■

          大岩睦美(医療・法律研究者)

1 過失とは

業務上過失致死傷罪などの過失犯は、
過失により結果(人を死傷させること等)を
生じさせることにより成立するが、ここに過失とは、
行為者が自らに課せられた
注意義務に違反することをいう。

この注意義務は、具体的内容として、
結果の発生を予見すべき義務(結果予見義務)と
結果の発生を回避すべき義務(結果回避義務)の
二つに分けることができる。


2 結果予見可能性、結果回避可能性

そして、結果予見義務と結果回避義務が
あるというためには、それぞれの論理的前提として
結果発生の予見可能性及び結果発生の
回避可能性を考えるのが一般的である。

実務上は、結果予見可能性が存すれば
結果予見義務があり、結果回避可能性が存すれば
結果回避義務があるとされる。

すなわち、「過失がある」(注意義務に違反する)と認められるには、

 (1)結果予見可能性、
 (2)結果予見義務、
 (3)結果回避可能性、
 (4)結果回避義務

の各要件が検討されることとなるが、
実務上(検察官の立証上)は、
(1)が認められれば(2)は当然に認められ
(3)が認められれば(4)は
当然に認められることとなるため、
(1)と(3)が立証されれば足りることとなる。


3 一般的な過失犯の事例

よそ見運転で人を轢いてしまったという
自動車事故の例を考えてみると、

(1)結果予見可能性:
 よそ見運転をしたら人を轢いてしまうかもしれない

(2)結果予見義務 :
 「よそ見運転をしたら人を轢いてしまうかもしれない」と予見すべき

(3)結果回避可能性:
 よそ見運転をしなければ人を轢かなかったかもしれない

(4)結果回避義務 :
 よそ見運転をしてはいけない

となる。
 

自動車事故の例では、わざわざ危険な行為を
行うことが必要となる理由はないのであるから、
結果の発生を予見し回避することができるのであれば、
予め結果を予見しこれを徹底して
回避しなければならないのであり、
つまり、予見可能性、回避可能性さえあれば、
予見、回避する義務が生じるのは当然のことと言える。


4 医療行為の場合

では、医療行為においては、

(1)結果予見可能性:
 手術したら合併症で死んでしまうかもしれない

(2)結果予見義務 :
 「手術したら合併症で死んでしまうかもしれない」と予見すべき

(3)結果回避可能性:
 手術しなければ合併症で死ぬことはなかった

(4)結果回避義務 :
 手術してはいけない???

となることから、(1)~(3)が満たされるからといって、
当然に(4)の結果回避義務までも
当然に認められてしまうと、危険を伴う医療行為
医師は一切行えないこととなり、不合理となる。


5 福島県立大野病院事件一審判決

この判決で裁判所は、医師に結果予見可能性、
結果回避可能性を認めながら、結果回避義務を
否定するという画期的判断を下した。

判決は、「医療行為が身体に対する
侵襲を伴うものである以上,患者の生命や
身体に対する危険性があることは自明であるし,
そもそも医療行為の結果を
正確に予測することは困難である。

したがって,医療行為を中止する義務
(=結果回避義務)があるとするためには,
検察官において,当該医療行為に危険があるというだけでなく,

(a)当該医療行為を中止しない場合の
 危険性を具体的に明らかにした上で,
(b)より適切な方法が他にあること
 を立証しなければならない。」としている。

本件では,
(a)子宮が収縮しない蓋然性の高さ、
子宮が収縮しても出血が止まらない蓋然性の高さ、
その場合に予想される出血量,及び
(b)容易になし得る他の止血行為の有無や
その有効性を、検察官が明らかにして立証しなければ、
医師には医療行為を中止する義務
(結果回避義務)は認められないとされたのである。

そして、これらを立証するためには,少なくとも,
(ア)相当数の根拠となる臨床症例,
あるいは (イ)対比すべき類似性のある臨床症例
の提示が必要不可欠であるといえる。


6 まとめ

本判決により、医療行為によって
患者の生命・身体に対する危険性があることは
医療行為の性質上自明のことであり、したがって、
医療行為においては、結果予見可能性、
結果回避可能性があったとしても、それだけで、
直ちに結果回避義務があるとは認められないこととなった。

結果回避義務(治療中止義務)があるとするためには、
(a)治療を続行した場合の具体的な危険性
(b)より適切な他の方法があること が要件となる。

しかし、結果回避義務が発生するための要件として、
(a)(b)で必要十分といえるか、(a)(b)の立証のために
必要な事項は何かについては、法曹界、
医療界を交えての議論を重ね、
具体的内容の検討が必要となるであろう。

●MRICの配信をご希望される方は touroku@mricj.com へ!!


『MRIC:臨時 vol 142』



手術をする場合。
出血がない、って思う医者はどこにもいないし。
大量に出血すれば、死ぬこともある。
っていう事がわからない医師はいません。

手術じゃなくて、の場合でも似たようなもんです。
には必ず副作用があります。
体に良い方の作用が強ければ「薬」で、
反対に有害な方の作用が強ければ「毒」です。
そんな事がわからない医師は、どこにもいません。

何万人とか何十万人に1人位だけど、
めったに出ない薬の重篤な副作用が出れば死ぬこともある
っていう事も医者であれば誰でも知っている事です。

ですから、医療行為を行う場合に、
全ての医者は、万が一の場合は患者が死ぬかもしれない。
という事がわかっていますので。
医師医療行為をする場合、

>(1)結果予見可能性

に関しては、全て当てはまってしまいます。


例えば、ガン患者の場合。

ガンを切除する手術をしなければ、
その患者手術で死ぬ事は絶対にありません。

でも、手術をしなければ、ガンで死にます

じゃあ、手術をしたら死ぬかもしれないから。
ガンで死ぬ事はわかっているのに、
手術をしてはいけないのか。

って。
そんな事にはならないでしょ。


本文にも書いてあるとおり、

(3)結果回避可能性:
 手術しなければ合併症で死ぬことはなかった

(4)結果回避義務 :
 手術してはいけない???


という事になれば、医療はそもそも成り立ちませんよね。


ガンで死ぬ可能性と、手術をして、もしかしたら、
手術してすぐに亡くなってしまう可能性もあるけど。
どっちにしますか、っていう事をきちんと説明して。

それを聞いて、患者自身が手術をする。
という判断
をしたのであれば、
結果的にガンの手術をしてすぐに亡くなったとしても。
それを業務上過失致死に問うべきではないんじゃないかな。
と、個人的には思います。

医療というものの本質を考えれば、
医療事故交通事故を一律に扱うのは、
そもそもがおかしいんじゃないですかね。



こういう話をすると、

医療業界には隠蔽体質があって。
カルテの改ざんとか、診療報酬の不正請求とか。
そういう事もあるのに、
医者だけ特別扱いするのはけしからん。


っていう論調の人が出てくるんですけどね。

カルテの改ざん、診療報酬の不正請求
っていうのは、いわゆる「医療事故」ではなく、
医療犯罪」なんですよ。

私は、医療犯罪に関してまで、医師を訴えてはいけない。
という事は、一言も言っていません。

むしろ、そういうけしからん奴は、
厳しく扱うべきだ、というように思います。

ただ、一生懸命に患者を救おうと思って。
その場で、できる限りの医療行為を行って、
結果的に患者が亡くなってしまった。
というように、結果が悪かったからといって、
医師を罪に問う、というのは、
医療の性質上おかしいのではないか

と思います。




本の紹介。

『噂の健康情報「ホントの話」』

最近、事故米の問題が話題になっていますよね。
輸入米にメタミドホスって農薬が入っていた、とか。
カビとかメタミドホスとか、そういうのは
テレビなんかでもいろいろ報道されていますけど。
実は、日本で作られているお米にも、
恐ろしいものが含まれている可能性があるんですよー。

カドミウム」って知ってますか。
公害、「イタイイタイ病」の原因となった物質ですよ。
こういう一般的には、ほとんど報道されていないような、
健康に関する裏話が満載の本が、これっす。

→ 『噂の健康情報「ホントの話」』

10月8日(水)0:00~10月10日(金)23:59まで、
アマゾンでキャンペーンをやってるみたいだから。
興味のある人は、是非読んでみてね!

キャンペーンが終わっても、一部のレポートはもらえますから。
是非買って、応募してみて下さーい。


ブログランキングの応援もよろしくね!
 ↓ ↓ ↓

加古川心筋梗塞事件、余波
医療裁判が、日本の医療崩壊の一因である。
という事は、以前からこのブログでも指摘していますが。
最近の医療裁判の中で、最も破壊力のあったのは、
皆さんご存じの「福島大野病院事件」でしょう。

福島大野病院事件は、ついこの間、
刑事事件での無罪は確定しましたが。
この事件で、加藤医師の逮捕により、
全国で産科医療の崩壊が加速しました。

医療崩壊を加速した医療裁判東の横綱
福島大野病院事件」とすると、
西の横綱は、「加古川心筋梗塞事件
ではないでしょうか。

奈良大淀病院事件」っていうのも、
最近の医療崩壊を加速度的に進めたもんだけど。
あれは、医療裁判のせい、っていうよりは、
医療報道」のせいですから。
個人的には、医療裁判の西の横綱は、
加古川心筋梗塞事件」だと思っています。


私は、循環器内科医なので。
心臓心筋梗塞は、専門なんですよ。
だから、「加古川心筋梗塞事件」に関しては、
このブログでも特に力を入れて書いてきました。

多分、Yosyan先生「新小児科医のつぶやき」
と並んで、日本で一、二を争うくらい、
詳しく書いてきたと思います。
Yosyan先生は、今日も記事を書いていますね。
「日曜怒話」

偶然、内部関係者からコメントをいただいて、
判決文が出る前に、その時の詳細を知ることが出来て。
その時に書いた記事、
「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
は、かなり反響が大きく。
その後の判決文と比較しても、この内部情報が
正しかった、という事は言えたと思います。

「加古川心筋梗塞事件、判決文」
「加古川心筋梗塞事件、判決文2」


加古川心筋梗塞事件っていうのは、簡単に言うと。

病院にも人手が少ない日曜日に、
胸が痛いって人が来て。
いろいろ検査したら、心筋梗塞らしい
という事がわかったので。
循環器内科医もいない、心臓カテーテル検査、治療
もできない加古川市民病院では、対応できない


それならば、他の病院に転送しよう。
という事で、近隣の5病院に電話をかけたけど、
なかなか転送先が決まらなくて。
転送先が決まるまでに、一時間ちょっとかかった


その間に行った保存治療には、全く問題がなかった。
心筋梗塞と診断して、転送するまでに約一時間かかった。
心筋梗塞の診断後、転送まで一時間という時間は、
一般的な医療水準から考えると平均的な時間なので。
それに関しても、全く問題がない。

にも関わらず、いろんな病院に転送を依頼して、
結果的に転送が少し遅れて、その間に患者が亡くなった。
そしたら、全部病院の責任です。

という判決が出てしまったのですよ。


医師が100人いれば99人は問題のない医療」、
と思われる医療行為をしたのに。
なかなか転送先が決まらなくて、
転送先が決まるまでに、一時間ちょっとかかった。
なのに、裁判では、ほぼ全て患者側の訴えが認められて、
病院側は完全敗訴して、賠償金を払った。

しかも、加古川市民病院(加古川市)は控訴をしなかったので、
この判決が確定してしまった。
というのが「加古川心筋梗塞事件」の概要です。


そんな判決が出てしまった後。
神戸新聞によると、やはり現場では救急医療
支障が出ているようですね。



加古川市民病院、急患死亡で敗訴 
現場に波紋今も 


昨年四月に言い渡された一つの判決が
医療現場に波紋を広げている。

加古川市の加古川市民病院が、
心筋梗塞(しんきんこうそく)の急患に
適切な対応をせず死亡させたとして、
約三千九百万円の損害賠償を命じられた神戸地裁判決。

医師の手薄な休日の急患だったことから、
病院関係者は「医師不足の中で
患者を受け入れている現状を考慮していない」と反発。

救急患者の受け入れに慎重になる動きも出ている。
一方、医療訴訟に詳しい弁護士は
「過剰反応」と指摘する。
(東播支社・田中伸明)


「判決を理由に、救急患者の受け入れを
断る医療機関は多い」-。
姫路市消防局の担当者は打ち明ける。

以前は、専門的な治療ができなくても
重症患者を受け入れ、転送先が決まるまで
応急処置をしていた医療機関が、
受け入れに慎重になる例が目立つという。

姫路市では昨年十二月、十七病院から
受け入れを断られた救急患者が死亡した。
担当者は「判決が、救急事情悪化の
背景になったことは否めない」とする。

裁判は、心筋梗塞への専門的な治療体制を持たない
加古川市民病院の転送義務が争点になった。

二〇〇三年三月三十日、男性患者=当時(64)=が
息苦しさを訴え、以前かかっていた同病院を受診。
対応した医師心筋梗塞を強く疑い、
血管を拡張するための点滴をしたが回復せず、
来院の約一時間半後に他病院へ転送依頼。
しかし、その後容体が悪化、死亡した。

遺族側は、重症の心筋梗塞には管状の
「カテーテル」を挿入する治療法が欠かせないと指摘。
この治療ができない同病院は、ほかの医療機関へ
男性を速やかに転送すべきだったのに、
その義務を怠った-と主張した。

一方、病院側は、当日は日曜で他病院の
受け入れ態勢も十分ではなく、病院間の
協力態勢も確立されていなかったなどとし、
早急な転送は困難だった-とした。

判決は、患者側の主張を全面的に認め、
訴額全額の支払いを命じた。
病院側は控訴しなかった。

     ◆

判決は、病院の勤務医らの反発を呼んだ。

交通事故の重症患者を受け入れている
姫路市内の病院の救急担当医は
「自分たちで対応できる状態かどうか、
受け入れてみないと分からない。
能力を超えた場合、近隣で転送先を探すのは難しい」
と強調する。

山間部の小規模病院の医師
「専門的な治療体制がより求められるようになれば、
可能な限り患者を受け入れる
へき地の診療が成り立たなくなる」と話す。

近年の公立病院などでの医師不足は、
訴訟や刑事訴追の増加が一因とされる。

加古川市民病院の判決は、福島県立大野病院の
産婦人科医逮捕などと同様、医師向けのブログなどで
「不当」との批判が相次いでいる。

こうした動きに対し、患者の立場で
医療訴訟を多く手がけてきた泉公一弁護士は
「判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容。
医療側の過剰反応ではないか」と指摘する。

医療現場の事情についても判決は
十分考慮した上で、病院側の過失を認定している。
内容を精査せず、患者との対立をあおるのは
医療不信を招く」と冷静な対応を求めている。


患者死亡までの経過

2003年3月30日正午ごろ
 男性が息苦しさや嘔吐などを訴える
 午後0時15分ごろ 加古川市民病院に自家用車で来院。
 その後、心電図で心筋梗塞の疑い
同1時3分 血管拡張薬の点滴開始
同1時50分 高砂市民病院に転送受け入れ要請
同2時15分 同病院から受け入れ了承の連絡
同2時25分 救急車が到着
同2時30分 男性の容体が悪化し、心停止状態に
同3時36分 死亡確認


「神戸新聞 2008/09/20」



非常に残念な事なんですけど。
やむを得ないでしょうね、これは。

だって、
医師が100人いれば99人は問題のない医療」、
と思われる医療行為をして。
一生懸命に患者を受け入れてくれる病院を探したのに、
見つかるまでに時間がかかったら、
裁判では、完全敗訴しちゃうんですよ。

それだったら、裁判で訴えられて負けないためには、
「救急医療を行わない」
「救急患者を受け入れない」

という事しか、出来ないでしょ。


医療訴訟を多く手がけてきた泉公一弁護士は
「判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容。
医療側の過剰反応ではないか」と指摘する。

医療現場の事情についても判決は
十分考慮した上で、病院側の過失を認定している。
内容を精査せず、患者との対立をあおるのは
医療不信を招く」と冷静な対応を求めている。



「じゃあ、どこまでの医療だったら大丈夫なんですか?」
って、この弁護士の先生に聞いてみたいですね、是非。

加古川心筋梗塞事件で、患者を受け入れた医師は、
外の病院から当直に来た、5年目の消化器内科医です。

この医師が行った治療は、
循環器内科医の立場で、後からみたら、
100点満点の治療ではないですよ、もちろん。

5年目の消化器内科医で、循環器専門の医師
後からみても100点満点の治療が出来るなら、
そもそも、専門医の意味なんてないですからね。

循環器内科医が後からみても、合格点の治療
という意味です。

そういう治療をして、医師が100人いたら、
99人は問題ないであろう、という治療をした

そして患者を受け入れてくれる病院を見つけるまでに、
時間がかかった。

それで、裁判で訴えられて負けた訳ですから。

泉公一弁護士は、どういう治療なら
裁判で負けない、って言ってくれるのでしょうねー。
非常に興味があります。

病院を探すのに時間がかかったら、
それは病院とか医者の責任。
とでも言うんでしょうかねー。

>内容を精査せず、患者との対立をあおるのは
医療不信を招く


少なくとも、私は循環器内科が専門で、
判決文も何度も読み込んで。
専門家の目で精査したつもりですが。
読めば読むほど、納得がいかない判決ですよ、これ。

しかも、患者との対立をあおっている訳ではないですよ。
私を含め、多くの医師医師ブロガーは。

むしろ、こんな判決の後に、
>医療側の過剰反応

という発言をしたら、医療側が医療裁判に
不信感を持つ
ような気がしますけどねー。


あ、ちなみにこのブログは、医師循環器内科医
が書いている、いわゆる医師ブログですけど。
医師向けのブログではなく、一般人向けです。
大勢の医師にも読んでいただいていますけどね。


加古川心筋梗塞事件は、神戸新聞にも書いてある通り、
不当判決」、「トンデモ判決」だと思いますが。

この裁判には医療側にも問題があります。

具体的には、こんなとんでもない判決が出ているのに、
控訴しなかった加古川市民病院(加古川市)

そのおかげで、こんなトンデモ判決が「確定
しちゃいましたからね。
控訴して、高裁で覆ったのであれば、
こんな萎縮医療が起きなかった可能性もありますから。
加古川市民病院(加古川市)は、
神戸近辺の医療崩壊を招いた一因
と言えるでしょう。

それと、福島大野病院事件でもそうだったんだけど。
加古川心筋梗塞事件でも、医師に過失はない
って保険会社は言っているんですよ。
だって、医師100人いたら99人は過失無し。
っていう医療なんですからね。

だから、裁判になって賠償金を払え、
っていう判決が出ないと、保険金が出ない

という事になっちゃっているんですね。

そういう、医療側の問題、というのも
この裁判でも問題になっているという面もあります。


こんな判決が出るようであれば、
今後も、医療裁判が原因の、
萎縮医療、防衛医療は進みますし。
それによって、日本の医療崩壊は進みます。


これは、対立をあおっている訳でも何でもなく、
事実」です。



この裁判官がいかに医療の事をわかっていなくて、
むちゃくちゃな論理展開をしているのか。
っていうのは、
循環器専門医が内容を精査して書いた記事
「加古川心筋梗塞事件、判決文3」
「加古川心筋梗塞事件、判決文4」
これを読めばわかりますから。
是非読んでみて下さいね!

医学用語の解説については、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
なんかも読んで、参考にしてね!


心筋梗塞になりたくない人は、
これを読んで予防してね!
→ 「日本一わかりやすい!「糖尿病」
→ 日本一わかりやすい!「高血圧」


ブログランキングの応援もよろしくね!
 ↓ ↓ ↓

Copyright © 2005 健康、病気なし、医者いらず. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Add to Google My Yahoo!に追加 健康、病気なし、医者いらず